サービスの概要  技術的な課題を扱うことに関する仕組み

技術的な課題を扱うことに関する仕組みとして、大きく「仕事タイプ」と「応募者への情報開示」の機能を用意する。

「仕事タイプ」としては、技術的な課題の解決策を募集するにあたって、新しいアイディアを求めているのか、具体的なロジックは提示してほしいのか、実装や制作した結果がほしいのか、あるいは本サービス上ではパートナ選定を行いたいのかを示すためのものです。

本サービスでは、クラウドソーシングのサービスとして一般的にも用意されている「プロジェクト」「コンペ」というタイプの指定も可能ですが、それとは違う軸でのタイプの指定を可能とすることにより、課題の提示者・応募者の双方に「どのような課題に対する募集を求めているのか」を明確にします。

「応募者への情報開示」の機能としては、応募前の一般のユーザが見ることができる状態では、依頼元の企業名を非表示とすることができる機能を用意します。また、案件への応募時には、秘密保持義務に同意する必要性のメッセージを表示して、秘密保持規定への同意を必須とします。

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本サービスの概要

ここで作り上げようとしているサービスは、基本的には「クラウドソーシング」のサービスです。技術的な課題に直面していて困っている人が、課題とともに解決策に対する「対価」を提示して解決策を募集するものです。ただし、「技術的な課題」を取り扱うことに伴う、既存のクラウドソーシングのサービスには備わっていない仕組みをもたせそうと考えています。

  • 1つ目の仕組みは秘密保持機能です。一般的なクラウドソーシングのサービスよりも、課題の内容の開示先を細かく制御することを可能とします
  • 2つ目が組織ユーザ/個人ユーザというユーザ種別をもたせ、受注側も企業活動として利用しやすくなる機能をもたせます
  • 3つ目が継続的に解決策の募集が増える仕組みです。いつ発生するかわからない課題が発生したときに、本サービスで依頼してみようと思ってもらえる状態をあらかじめ作成するための、認知と継続的な接点をターゲットユーザ群に対してとるための仕組みをもたせます

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機能一覧とすると下記の表となります。クラウドソーシング機能としては誰でもみることのできる案件の一覧機能のほかに、会員登録機能、案件の管理機能をもち、支払い処理としてはクラウドソーシングですのでエスクローの機能をもたせます。

クラウドソーシングの依頼方法/タイプとしては、基本的なプロジェクト型とコンペ型は当然用意するとともに、技術情報を取り扱うことに対する秘密保持の観点から、案件情報の開示範囲の指定機能や案件応募者にはじめて詳細情報を開示する機能を用意します。

また、企業・技術者が活用したくなり、継続的に解決策の募集が増える仕組みとして、組織内での利用を可能とするユーザの権限管理の機能、サイト流入促進のためのFAQコンテンツなどを用意します。

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取り扱う技術的課題⑦ 社会的課題解決のための技術製品

4つ目の技術的な課題の例は、社会的な課題解決のための技術製品の提案募集です。政府・公的機関・財団法人などからの依頼を想定しているもので、米国のクラウドソーシングサービス "INNOCENTIVE"では結構多い依頼のタイプです。

社会的な課題に対して、技術をベースとした解決策・緩和策としての製品・サービスあるいは製品・サービスのコンセプトの提案を求めるもの。たとえば、アフリカではいまでも電気が通じていないところが多く、夜間の危険性や子供たちが夜間に勉強できないなどの不便があることに対する解決策として、太陽光で充電してランプ兼電灯として機能する20年以上の耐久性をもつ製品を開発した例などがあります。

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下記は、水洗トイレが普及していない発展途上国で水洗トイレの利用を促進するモバイルゲームの企画募集の例です。

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取り扱う技術的課題とは⑥ 所定の精度・条件を満たす加工技術

3つ目の例は、所定の精度を満たす加工技術を求めるものです。この例はWeb上で解決策を提示することを求めるのではなく、通常はWeb上ではパートな(委託先)の募集を行う形態となると思います。

金型などを特定の用途・特定の加工対象に対してある具体的な条件で所定の精度を出すということが一般的に行われる条件ではなく、一般には難しいものの、その分野の経験・実績がある中小企業・町工場でも対応可能な場合ということはよくあることです。

しかし、その条件での加工が一般的ではない場合には、自分のところで対応ができない場合に、その加工を対応できる委託先をすぐに見つけるのが難しい場合があります。

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課題の提示としては、技術的な課題としての加工条件と精度を提示することになりますが、Web上では委託先の選定を行うことになりますので、提案提出物としては、本課題と類似の加工に関する実績・知識があることを示す資料となります。

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取り扱う技術的課題とは⑤ 所定の性能を実現する方法の教示

2つ目の技術的課題のタイプは、所定の「性能」を実現する方法の教示です。製造工程などにおいて、要件として規定されている・実現すべき「性能」があるにもわわらず、実際に開発・実装してみたところ、なかなかその実現すべき性能が出ないということはよくあることです。そのような課題に対して、実現すべき所定の性能を実現する方法を教示・提示することが求められる解決策となります。

このような課題は、具縦木な個別の用途に対する、具体的な性能要件を実現可能とする処理ロジックなどを提示する必要があるので、もちろん、書籍やネットでは回答を得ることはできません。

また、このような課題の解決策を提示することができるのは、その分野についての専門家の中でも、ある程度以上のレベルの能力の人となりますので、もともとその分野の専門家との接点がないと、すぐに依頼先を見つけることが難しい場合が多くなります。

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具体的な例として「製造工程の検査における画像処理の性能を10倍とする処理ロジック」を求める課題解決依頼を下記にあげています。画像処理の専門家に対して、処理性能を10倍以上とする画像処理のロジックの提示を求めています。

 

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取り扱う技術的課題とは④ プチコンサル

IT系のツールの「プチコンサル」例をふたつ示します。1つ目はAWSに対するプチコンサルの例です。

どのような状況で何に困っているかという概要説明とともに、具体的なCloudFrontへの設定を示して、どこが間違っているのか、どのような設定に変更すればよいのかをアウトプット(納品物)として提示してほしいという依頼内容です。

 

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2つ目は、Webアクセス解析ツール Adobe Analyticsに対するプチコンルの例です。実現したい計測要件を示して、それを実現するためのAdobe Analyticsによる具体的な実装方法を依頼しています。

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取り扱う技術的課題とは④ プチコンサル

本サービスで取り扱う技術的課題をいくつか例をあげて説明します。一つ目は「IT系のツールの使い方に関するプチコンサル」です。

有償、無償さまざまなIT系のツールが存在します。それらはいつもは問題なく使っていたり、それを使って業務を使っている担当者がいたりしますが、下記のような困る状況にはよく出会うものです。

  • ある特定の計算業務を行うために、Excelの関数やマクロをどのように使えばうまくいくのか、よくわからない。あるいは、この使い方でうまくいくはずだと思うが、なぜだかうまく動作しない
  • Webサイトのアクセス分析をするのに、Google Analyticsにそなわっているある機能を使えばよいのはわかっているが、どのようにページにタグを入れたり、Google Analyticsの管理画面でどのような設定をすればよいかわからない。あるいは、すでに実装してみたものの、計測されるデータがおかしく、なぜそのようなおかしなデータとなるのか、どこが実装としておかしいのかがわからない
  • Webサイトを運用するためのサーバ環境としてAmazon Web Servicesを利用している。また、AWSのCloudFrontも利用して画像ファイルをキャッシュングしている。最近、CloudFrontのキャッシュ効率が下がり、理由を調べたら、AWSのS3へのキャッシュがきいていないことがわかった。キャッシュは有効な設定にしているのに、なぜS3へのキャッシュだけきかないのかがわからない

これらの状況は、具体的な個別用途に対する、特定のツールの具体的な使用方法に対するアドバイスの依頼です。ふだんからそのツールを自分で使用しており、基本的な操作方法についてはわかっているのに、なぜだが、ある特定の用途・設定がうまくいかないという状況に対する回答は、なかなか書籍やネットで検索しても得られないものです。

つまり、このような状況は、その分野の専門家によるコンサルティング・サポートが必要な状況となりますが、そのような専門家との接点がないと、すぐには依頼先を見つけるのも難しかったりします。また、依頼先は見つかる場合でも、サポート契約は年間契約が必要となっていることも多く、スポットの依頼をできないこともしばしば存在する状況です。

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