起業動機⑤ 社会的なインパクト

技術のニーズとシーズをダイレクトにつなげること、特に専門性を必要とするようなすこし難しい技術的な課題をWebで効率的にマッチングできれば、以下のような理由から、企業の研究開発その他の技術業務の効率を大きく向上させ、社会的なインパクト・影響も大きいと考えています。

  • 課題を解決するという業務は、予想外に発生した業務であり、早期に解決できないとスケジュール遅延等の問題が発生することも多い
  • 専門性を必要とするような技術的な課題は、解決することができる外部委託先をみつけようとしても難しいことが多い
  • 課題を解決できないと、業務に支障がでることが多く、解決できるとインパクトが大きい
  • 解決できずに困っている課題の解決方法がわかればよいことが多く、大きな人的なリソースや金額の大きな案件の委託ではないことが多い

「すぐに解決できてほしい」ということは、人的な営業や対面での打ち合わせなどを伴わないWebでのマッチングという仕組みが実現しやすい側面ですし、長期にわたって大規模な金額の業務を委託するわけではなくスポットでの委託先を探すという面でもWebでのマッチングという形態がマッチするのではないかと思っています。

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起業動機④ 技術業務の規模の大きさ

技術のニーズとシーズをマッチングさせる仕組みというのは、クラウドソーシングの中でも、すこし難しい技術業務をきちんと要件のすり合わせがWeb上で効率良くできるという、特化型のクラウドソーシングのサービスといえますが、技術業務というのは巨大なマーケットサイズをもっている分野であり、技術的な課題にぶつかって困っているという状況はさまざまな場所で頻繁に起きていることですので、このようなサービスを実現できる仕組みができれば、十二分に大きな事業となると考えています。

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統計データからは日本の研究費だけで、年間17兆円となります。技術業務全体の市場規模というと、それの何倍にもなるかと思われます。日本の研究者・技術者の数というと230万人ですので、一人当たりの給与が平均で500万円として、年間10兆円以上となります。研究者・技術者に直接支払われる給与の合計だけで10兆円以上となるのですから、技術業務全体の市場規模としてはやはりその数倍の規模はあり、数十兆円から100兆円規模と考えられます。

研究開発業務の0.5%、技術業務の0.1%以下を外部委託化するだけで、年間1,000億円規模の市場となるわけで、年商100億円を超える売り上げの事業を十分に作り上げることができる分野といえます。また、年間1,000億円規模の外部委託がされるようになったあかつきには、その何倍もの業務効率改善がなされることにもなりますので、社会的なインパクトも大きな分野だと思っています。

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起業動機③ クラウドソーシングの広がり

一方で、企業の業務の外部委託の広がりという側面のひとつとして、やはり数年前からクラウドソーシングの広がりというものがあります。2014年にクラウドワークスが上場したこともあり、2014年から2015年にかけて特にメディアに取り上げられていましたが、現在でもクラウドソーシングによる取扱い高は成長し続けています。

クラウドソーシングは、Webを活用することにより業務の委託先を非対面で見つけることができ、業務の遂行までWeb活用により非対面で完了させるという形態の業務の外部委託かと思います。企業対企業の取引も含みますが、主に委託元は企業で、委託先は個人であることが多く、個人の多様な働き方を可能とする選択肢のひとつとして取り上げられることが多いかと思います。

最近は、ある特定の「業務」や特定の形態の「依頼」に特化した、特化型のクラウドソーシングのサービスもいろいろ登場するようになってきましたが、すこし難しい技術的な課題を解決してもらうことのできるクラウドソーシングのサービスとして、機能しているものはまだ存在しないかと思います。

クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングのサービスでも、Webのシステム開発などの技術業務の委託はできますが、業務の委託が決まった後に要件についての認識の違いなどがでてきてトラブルとなることも多いといわれており、結局は、業務要件がシンプルで認識のずれが起きないような対象であればよいのですが、技術業務のような要件が複雑な業務については、まだ効率的にマッチングする仕組みができていないと思っています。

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起業動機② オープンイノベーションの広がり

そのような、技術をもっている人と技術を必要とする人をマッチングする仕組みが必要とされてきている時代のニーズを背景としてだと思うのですが、数年前から「オープンイノベーション」の必要性とオープンイノベーションへの取り組みが日本でもいろいろみられるようになってきています。

日本オープンイノベーションフォーラム」のような組織も設立され、ナインシグマ・ジャパンのように、オープンイノベーションの仲介を行うような会社も日本で立ち上がってきています。

しかし、オープンイノベーションという「ことば」は広がり、その「必要性への認識」も広がったものの、実際に技術開発を外部に委託する動きがどれほど広がったかというとまだまだというのが日本の現状かと思います。

Webで技術のニーズとシーズをマッチングする仕組みは、オープンイノベーションを広げる新しい仕組みのひとつだと思っています。

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起業動機① 事業立ち上げの背景となる将来感

下図の中のグラフは、少し古い統計データですが、国内の民間企業の研究開発投資の効率がずっと下がり続けていることを示すものです。よく言われることでもありますが、「製品ライフサイクルが短くなった」「ひとつの研究開発・新製品から回収できる利益が減ってきている」ために、昔のように研究開発をしても企業の売り上げや利益になかなか通じなくなってきています。

また、高度成長のような時代には、ビジネスモデルはあまり変化せず、技術的なイノベーションが付加価値をうんでいたのが、最近は、むしろ人々の暮らしの「仕組み」を変えること、それは必然的にビジネスモデルも変えることにつながりますが、によって付加価値が生まれている面が強まっていることもよく聞く論調かと思います。

しかし、そうすると、仕組みを考案する人がなかなか技術がわからないという状況がうまれることになります。これは、技術開発のアウトソースの必要性が高まることに繋がると考えています。別の言い方をしますと、新しい仕組みを考える人と高い技術力をもっている人をより効率よくマッチングする仕組みが求められていると思っています。

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ビジネスプランおよびビジョン

立ち上げにおけるビジネスプランとしては、まずはオープンなシステム構築運用分野にフォーカスして立ち上げて、3年で黒字化を実現することを考えています。

組織化してから半年で、オープンなシステム構築運用分野にフォーカスしたサービスを構築してサービスを開始、設立3年目の売り上げは3.7億、この段階で黒字化を実現させます。また、黒字化が見えたところから、次の技術分野への展開の準備・開発を始めることを予定しています。

ビジョンとしては、Webのプラットフォームを作り上げることにより、技術業務の効率化、技術者の活性化に寄与することを考えていますが、組織としてのバリューとしては、Webのマッチングの仕組みの継続的な進化と、技術者が集まる場を作るマーケティングなどと考えており、「Webのサービスと仕組み作り」の組織を作り上げたいと考えています。

つまり、技術者の会社ではなく、技術者は組織の外部に技術者・技術企業をネットワークする、Webのサービスと仕組み作りのプロデューサ集団とすることを考えています。

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技術分野を順次展開していくことにより、大きな事業規模を実現

本プラットフオームは、まずはオープンなシステム構築運用分野にフォーカスして立ち上げることを考えていますが、IT分野だけでなく、基本的に、どのような技術分野にも適用できるビジネスモデルと考えており、順次技術分野を展開していくことを考えています。

技術的な課題にぶつかり業務上の支障をかかえるということはさまざまな場所で頻繁におきていることです。技術業務全体となれば巨大な市場であり、その技術業務の一部となる、研究開発業務だけで国内で年間17兆円ほどあります。その0.5%、つまり国内の技術業務全体に対しては、おそらく0.1%程度の技術業務を仲介するようになるだけで、年間1,000億円規模となります。本プラットフォームのビジネスモデルは基本的に仲介手数料ですが、仲介業務が年間1,000億円規模となれば、その仲介手数料を主とした本事業としての年間売上としても200億円程度とはなりますので、十分に大きな事業規模を見込むことができる事業と考えています。

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