このプラットフォームを構築することの難しさ

クラウドワークスやランサーズのような既存のクラウドソーシングのサービスでもシステム開発のような技術業務を扱っているのですが、ここで想定しているようなすこし難しい技術的な課題を解決することは、いまあるクラウドソーシングのサービスでは基本的にはできていません。

大きくふたつの種類の困難さがあるのがその理由です。一つ目は技術的な課題にぶつかって困っている「技術のニーズ」側の人たちが、簡単かつ適切に課題を提示することが難しいことです。

問題となっている状況がきちんと理解できていないからこそ、その技術的な課題が解決できないでいることが多いわけですが、すると「課題の提示」に十分な情報が含まれておらず、たとえその分野の専門家であっても解決策が提示できないということになりがちです。

最初の「課題の提示」では問題がよくわからないので、何回も詳細なやりとりをしていったところ、はじめて自分とは違う分野の専門家の能力が必要であることが判明したりすることもあります。

既存のクラウドソーシングのサービスでも、システム開発の案件を請け負ったところ、受注して業務をはじめた後に、想定していない用件が含まれていたり、想定したよりもかなり大きな作業工数が必要となる業務であることがわかって、トラブルとなることが多いということはよくいわれることですが、「技術的な課題に困っている」側が、その「課題」を適切に必要十分な情報を整理して提示することを一般的に期待するのは難しいことです。基本的に既存の体制で対応しようと思っていたところ、予想外のところでつまづいて困るということは、技術的な業務ではよくあることですが、そのようなときに10万円程度払えばスポットでその分野に詳しい専門家にアドバイスをもらって解決できればすごく助かりますが、そのような金額感のスポットの依頼に対して、既存のクラウドソーシングのサービスではうまく対応できていません。

二つ目の困難さは、各技術分野について、それぞれの技術分野に十分詳しい「技術のシーズ」側の人間を十分な数まで集めることです。技術分野は細分化されていて、すこし難しい技術的な課題でも解決策が得られるオープンなプラットフォームを作り上げるためには、各技術分野について、一定水準以上の技術者をそれぞれ集める必要があります。また、そのような優れた技術者の多くは企業で働いているので、サービスをスケールさせるためには、ニーズ側も企業、シーズ側も企業となる B to B のマッチングに対応する必要もあります。

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